しあわせの色  第2話---人を幸せにする力




今日もまた、学校に行く。





ガラッ


教室をあけても、誰も挨拶してこない
まるであたしなんか存在してないみたいに。




でも、そんなのもう慣れてるけど・・・。








  「あははは」

  「まじでえー?」
  
  「それでさあー」



朝からする笑い声にも混ざれない。


混ざりたいわけじゃない・・・けど。





































昼休み―





パンないや。
購買行こ・・・













  「あ!さらじゃんっ!?」





この声、どっかで・・・・・・










雄斗「雄斗だよーん!覚えてる!?」


沙羅「覚えてるよ・・・」


昨日会ったばっかじゃん・・・。

てか、ほんとに同じ高校だったんだ



雄斗「学校で会うの初めてだなー!購買行くの?」
沙羅「うん」
雄斗「俺もっ♪一緒に行こーぜ」




なんでこんな馴れ馴れしいんだろ?


昨日初めて会っただけなのに呼び捨てだし



でも・・・・別に嫌じゃないかも・・・




こんな風に明るく振る舞えちゃうなんて
うらやましい















−−「ねぇ、あれ」

−−「は?なんで稲辺が雄斗と?」











放課後― 今日も学校での一日が終わった。 でもいつもと違ったのは、 誰かと話したこと。 学校で誰かに話しかけられるなんて 入学以来だよ・・・   バンッ え・・・? 座っていると、机を誰かに思いっきり叩かれた。 赤井「ねぇ、ちょっと来なよ」 あぁ・・・・・・・・呼び出しか 入学したばっかのときは しょっちゅう呼び出された。 でもだんだん呼び出されなくなってきた 呼び出されてもずっとだまって何も言わないから たぶんつまんないって思ったんだと思うけど。 今頃・・・なんだろう またうざいとか言われるのかな クラスの中でも目立つグループにいる ギャルの赤井さんともう2人に 校舎裏まで連れていかれる。 赤井「あんたさぁ・・・そろそろまじうざいわ!」 沙羅「・・・・・・」 −−「まじ目障りだからあー!クラスにいないで欲しいし」 ・・・・今更? いきなり呼び出した理由はなんなの・・・? 赤井「てゆうかさ・・・」 赤井「あんた、雄斗とどーゆう関係?」 え・・・・・・?雄斗? 沙羅「別に・・・」 どうゆう関係って・・・・何? そんなことなんで聞くの? 赤井「今日、一緒にいんの見たけどさ。まじ目障り」 だからか・・・・。 赤井「あんたなんかが雄斗に近寄っていいと思ってんの?」 ・・・・赤井さん・・・あいつのこと好きなんだ てゆうかあたしが近寄ったわけじゃないんだけどな 沙羅「別に幹原君とはそうゆう関係じゃないから・・・」 赤井「じゃあなんで一緒にいたの?」 沙羅「だから・・・あいつが勝手に・・・」 赤井「あいつ呼ばわりしてんじゃねーよ!」 肩を思い切り押された。 何すんだよ・・・ 赤井「一生雄斗に近寄んな!ブサイク!」 ―――――ブチッ。 沙羅「てめーらだけで勝手に言ってんじゃねえよ!    あいつとはなんも関係ねえっつってんだろーが!!」   「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」 一瞬場が静まる。 赤井「い、稲辺のくせに生意気なんだよ!!」 バシッ 沙羅「った!何すんだよ!!」 ドンッ 赤井「このっ・・」 喧嘩を仕掛けたのはあたしの方だけど でもさすがに 3対1だと不利すぎた。 最終的には 3人に蹴られて殴られて・・・・・・・・ ―むかつくっ・・ ―悔しい・・・ ・・・・・・いたい・・・   「はいはーい。そこまでね」 赤井「えっ」 −−「?」 沙羅「・・・・・・・・・?」 赤井「ゆ、雄斗っ・・」 そこに立っていたのはあいつで。 雄斗「3対1はないっしょー」 赤井「違っ、これは・・・・」 雄斗「俺、そーゆう卑怯なやつ嫌いだから。以上!    ほら、さら行くぞー」 赤井「・・・っ!」 沙羅「えっ、ちょっ・・・・」 あいつに手を引っ張られていく。 後ろでは赤井さんの泣き声が聞こえる 沙羅「・・・・・・・・・・・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ―保健室― 雄斗「女でもあんな喧嘩すんだなあ〜」 あいつは、あたしの怪我した部分を消毒しながら 楽しそうに話しかけてくる 沙羅「・・・・・・・・・・・・・」 雄斗「しみる?痛い?」 沙羅「・・・ん・・・・・・ちょっとだけ・・・」 あたしは、あいつの顔を見ることができない。 沙羅「いつから・・・・・・・・・・・・・・・・・・いた?」 雄斗「さらが、裏につれてかれるの見てついてったんだ。    乱闘始まったときにはどうしようかと思ったけど。」 沙羅「・・・・・・・・・・・・・」 雄斗「まじ心配だったからあ〜。でももっと早めに    助ければよかったな!そうすれば無傷で・・・・」 ぎゅっ 雄斗「えっ!?さらっ?」 沙羅「・・・・・・・・・・・・・・っ・・・」 思わずあいつにしがみつく。 助けてくれた。 初めて助けられた。 偶然見かけただけだったとしても 別に雄斗が来なくても大丈夫だったけど、 助けに来てくれた。 あたしのために・・・ あたしなんかのために――――・・・・・・・ 沙羅「・・・・・・・・・・・・・・・っ・・・あじがどうっ・・・・・」 涙がとまんないよ 泣いたのなんて、いつ以来だろう でも、悲しい涙じゃない あったかい涙――――――― 雄斗「ははっ、うっそお〜!泣きすぎだろッ」 こんなに優しくされたのなんて初めてだよ 雄斗「よしよしっ」 沙羅「えと・・・幹原君・・・・・・・ありがとね」 雄斗「幹原って!!笑 雄斗でいいよ」 沙羅「・・・雄斗・・・・・・・・・ありがとう」 雄斗「なんか照れんな!笑」 沙羅「あははっ」 雄斗「あ。笑った!!!!」 沙羅「え・・・・」 雄斗「もっかい!」 沙羅「や、やだよっ」 雄斗「なんでよー今の可愛いかったのに」 沙羅「う、うるさいな・・・・・」 可愛いとか・・・おせじでも言わないでよ・・・・ 沙羅「じゃーね・・・今日はほんとありがとうっ」 雄斗「全然いいし!またなんかあったら言えーって!じゃな!」 昨日雄斗と出会った歩道橋で別れる。 ほんと・・・・調子狂う・・・・ 昨日知り合ったばっかりなのにな・・・。 雄斗は不思議な力を持ってるんだ・・・ 人を幸せにしてしまう力。 あたしもどうやらかかってしまったらしい・・・・ だからもっと、雄斗のこと知りたいって思ったんだ。

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