第2話---真実





綾 「浩太・・・・・・・入院してんの?」


噂を耳にして、親友の美咲に聞いてみた



美咲は浩太の幼馴染で
浩太と付き合ってたとき、
いろいろ相談に乗ってもらったりで
3人で仲が良かった。



美咲「・・・・・えっ?・・・・いや、よくわかんないけど・・・」
綾 「怪我とか?」


浩太が、入院?
なんでだろう


美咲「んーん、怪我じゃない・・・」
綾 「え?じゃあなんで?」
美咲「・・・・・・・・・・お見舞い、行ってみれば?」


・・・・・お見舞い・・・


綾 「あたしがお見舞いなんか行ったら、『会いたくない』
   って言われるよ・・・・きっと」
美咲「・・・・・・・・・・そうかな・・・?」
綾 「うん・・・・」



浩太にフられてから
「嫌い」だの
「会いたくない」だの・・・・・
何回言われたんだろう・・・・。

思い出すだけできついなぁ・・・・・・・






美咲「でも、せっかくだし、行ってみなよ?」
綾 「いいって〜、どうせすぐ退院するんでしょー?」


美咲「・・・・・・・・・・・・・」





綾 「美咲?」




美咲「・・・・当分・・・・退院はしないと思うよ・・・・・?」
綾 「えぇ?・・・何それぇ?やだ、なんか雰囲気暗いよ!?」
美咲「・・・・・綾は、浩太がまだ好き?」
綾 「・・・・・え・・・・・・」



・・・・・・・・・・・・。





綾 「・・・・・・・・・わかんない」
美咲「・・・・・ほんとに?」
綾 「だって・・・・・・あたしが好きって言ったら、
   また、嫌いって言われるもん」
美咲「・・・・・・・それは・・・・。」



・・・・・・・?

美咲、なんか変だよ?



綾 「お見舞いなんて大げさだしさー?」
美咲「・・・・・・・・好きなんでしょ?ならお見舞い行きなって」
綾 「そりゃ・・・好きじゃないって言ったら嘘になるけど・・・」
美咲「好きなんでしょ・・・?」
綾 「けど、会う勇気ない・・・・・」
美咲「・・・・・・・・・・・・・。」
綾 「拒絶されたとき、・・・怖いから・・・・・」






美咲「浩太は、もっと辛かったんだよ?」






綾 「・・・・・・・・・え・・・・・・?」
美咲「・・・・・・・・・・・・」


綾 「なに?意味わかんないよ・・・・?」
美咲「・・・・・・・。」
綾 「美咲?なんか隠してんのっ?」
美咲「・・・・・・・・・・・・・・・浩太は・・・・・・」




綾 「浩太が・・・・?」











美咲「・・・・・浩太は―――−-・・・・・



















美咲の話を聞いて、

あたしは浩太の入院しているという病院に駆け込んだ





ナースステーションで
浩太の部屋の番号を聞いて
急いでその部屋まで行った。










ドアの前で、とまって




入ろうかどうか迷った・・・・・













美咲「・・・・・浩太は―――――――・・・」





浩太――――・・・










―――ガチャ






病室のドアを開けると、
一番窓側のベッドに、浩太がいた






・・・・・・・・浩太・・・・




浩太は、窓の外を見てた


すごく、寂しそうに・・・。






綾 「・・・浩太・・・・・・」






浩太「・・・?!」


浩太はすぐ反応してこっちを見た







浩太「・・・んで・・・・いんの・・・・・・?」





あぁ・・・・・・・浩太だ・・・・・



しゃべるのが懐かしすぎて
泣きそうになった。








―――――だめだ。まだふっきれてないや・・・・





すごくすごく愛しかった人


今でもやっぱり、愛しい人




綾 「美咲に・・・・・・・聞いた」





浩太「・・・・・・・・。」
















浩太「・・・・・・・帰って」









・・・・・・・・・・・・。









綾 「・・・やだ」
浩太「・・・・。帰れって・・・」
綾 「いや!」
浩太「・・・・・・・。」



もう、絶対逃げないもん



傷付くのなんて怖くないんだから・・・・






浩太「・・・・・・・・・・なんで、・・・・来んだよ・・・」

綾 「・・・・・」




浩太「会いたくないっつってんだろ・・・!」




綾 「・・・・・・」



もう遅いよバカ

全部全部知ってるんだから―――・・・




綾 「・・・・・・会いたかった・・・・・・・・・・」


浩太「・・・・・・」
綾 「あたしはすごく会いたかった。話したかった・・・」
浩太「・・・・・・・・・。」

綾 「あたしはまだっ・・・・・浩太がっ・・・・」




浩太「・・・・来んじゃねぇよ・・・、ばか・・・・っ・・・」



浩太が頭を抱えて、冷たく言う・・・

でも、全部わかってるから・・・・・・・・・・・・。




あたしは浩太のところに行った














浩太「これじゃ、余計忘れらんねぇじゃん・・・・」













・・・・・・・・・・・。



綾 「・・・忘れないでよ・・・・・・・・・」




浩太はあたしをぎゅっと抱きしめた




あたしは、美咲の言った言葉を思い出す





「・・・・・浩太は・・・・癌なんだよ・・・・・・・・」







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