第14話---精一杯の言葉



あの幸せはなんだったの?



おそろいのネックレスで。
達哉がいきなりキスしてきて
手繋いで帰ったじゃん


達哉にとって、あのキスはなんだったんですか・・・・?




麻衣「おーはよっ」
千穂「おはよー」


千穂「で、昨日はなんかあったぁ?」
麻衣「は?え?」
千穂「新山!昨日教室で、麻衣が委員会終わるまで
   ずっと待ってたみたいだけど」
麻衣「え?」


待ってた?違うよ、達哉は寝てたんだよ?


千穂「で、くっついたの?」
麻衣「んーん。」
千穂「なんもなかったのー?!」
麻衣「まぁ・・・・・うん。」


待ってた、としても
どーせ「なかったことに」ってことを
言うつもりだったんだろーなぁ


それに言い出したのあたしの方だったし。
達哉帰るとこだったし




「ごめん、なかったことにして・・・?」


だめだぁー・・・やっぱ元気出ないよ・・・


達哉に会うのやだなー


告白してフられた気分だもん・・・。






達哉は遅刻して学校にきた。 まだ、達哉とは話せてない てか、話せない。 達哉を見ると、やっぱり、だめ。 好き  って思っちゃう 達哉「あー、麻衣ー」 麻衣「はいっ!?」 達哉「はいっ。お前に借りてたCD!ありがとなー!」 麻衣「あ・・・うん。」 なんだ・・・・・・・全然普通じゃん。 なんだ・・・・達哉は全然普通に笑えるんじゃん そんな、 かっこよくて、かわいい笑顔見せれるんだ そうだよね。 なかったことに、するんだもんね なかったことに・・・・・・・・・・。 麻衣「・・・・・ばか」 ボソッ 達哉「・・・ん?」 なかったことになんて・・・ 麻衣「・・・できるわけないじゃん!!ばかっっ!!」 ダッ 達哉に言葉を吐き捨てて ダッシュで階段をのぼって屋上まで行った。 フェンスによりかかって、屋上から下を眺めた。 麻衣「ばかやろー・・・・」 ―――ガチャ あとから、続いてドアの開く音。 すぐ誰かだってわかった。 達哉「・・・・・麻衣」 達哉もダッシュで来たようだ。 少し息切れしている ・・・・追っかけてこないでよ・・・。 達哉「できるわけない・・・って・・・?」 ばか。 麻衣「なかったことになんか、できないよ」 絶対、達哉の方は向かない 泣きそうになるから。 麻衣「いきなりキスされて、嬉しくて    ずっとずっとドキドキしてて眠れなくて・・・」 達哉「・・・・・・・・。」 麻衣「次の日達哉に会うの楽しみで仕方なくて・・・・」 達哉「・・・麻・・・・・」 麻衣「すごいすごい嬉しかったのに、    なかったことにできるわけないじゃん!」 麻衣「あたしは達哉が好きなんだよ。    期待するに決まってんでしょ!」 達哉「・・・・・・・・・・・。」 麻衣「その気ないならキスなんかすんな!ばかっ!」 そう言って、達哉の横をダッシュですり抜け、 屋上から出てった。 さすがに達哉も追ってこなかった ・・・・嫌われた?うざがられたかな・・・? でも、でも 言ってやった。言ったよ、あたし 「好き」 って、言った・・・・・・・。 麻衣「グスッ・・・・」 本当は、あんな風に告白するつもりじゃなかったのに ちゃんと、お互い向かいあって 「ずっと前から好きでした」って 「達哉に出逢ってから達哉のことずっと見てきました」って 「付き合ってください」って・・・・ ちゃんとした言葉で ちゃんと言うつもりだったのに。 麻衣「ぅぅー・・・・・・・ひっく・・・」 でも、今のあたしの精一杯の言葉だったんだ 精一杯の・・・・・・

/第15話---やっぱり


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