第21話---達哉じゃないと
「麻衣は俺がもらうから!」
尚 「どこまで行くんだよー」
尚の言葉で、足をとめた。
麻衣「な、なんであんなことゆったのっ!?」
達哉・・・・・・超びっくりしてたよ・・・。
尚 「すぐ、あいつがお前の好きな奴ってわかった・・・」
麻衣「・・・・・・・・・。」
尚 「俺じゃ駄目なの?」
麻衣「・・・・尚・・・・・・・・」
尚の真面目な視線が痛かった。
尚を目の前にしても、考えてるのは達哉のことばかり。
尚 「お前、フラれたんでしょ?」
麻衣「え・・・・・・?!なんで知って・・・・・・・・」
尚 「加奈とかに聞いた」
加奈とか・・・なんで知ってんのさ・・・。
情報早いな・・・・・
尚 「俺なら絶対フったりしねーのに。」
・・・・そうだよね。あたしフられたんだよね・・・
尚 「俺が麻衣のこと幸せにしてやる」
・・・・・・・でも、決めたんだ。
あたし、達哉を絶対振り向かせる って。
達哉じゃないと駄目なの。
麻衣「ごめん。やっぱ・・・・付き合えないよ」
尚 「待つって!」
麻衣「・・・・ごめん・・・・。」
尚 「俺・・・・諦めねーよ」
麻衣「・・・・・・尚・・・・・・・・・」
尚 「今日は帰るけど、避けんじゃねーぞ!」
麻衣「・・・・うん・・・・」
尚みたいなかっこいい人が
あたしなんかを好きって言ってくれてんのに・・・
あたし馬鹿だよね?
でも、やっぱ達哉じゃないと。
達哉と出逢って
達哉といっぱいしゃべって、いっぱい思い出作って・・・。
出逢ってたったの5ヵ月ちょっとだけど
達哉のことしか頭に入らなくて
こんな人を好きだなって思ったの生まれて初めてで。
1回目の告白は・・・・・・見事に失敗したけど
諦めたくないよ
尚があたしを"諦めない"って言うように、
あたしも達哉を諦めたくないの。
あのキスも、抱きしめられたことも
いくら達哉が「なかったことにして」って言っても
絶対なかったことになんてできない。
"達哉"だから・・・・・・
ピリリリリ
ケータイの着信音が鳴る・・・・。
え、2時じゃんかぁ・・・・。
誰・・・・こんな時間に・・・・・・・・・。
目を閉じたまま、
通話ボタンらしきところを指で予想して押した。
麻衣「ふあい・・・・もしもしぃ〜?」
『・・・おす』
声で、すぐ誰だかわかった。
麻衣「たつや・・・・・?」
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