第22話---幸せにできる人




達哉の声で目が覚めた。



思わずベッドの上で正座をしてしまった






麻衣「こ、こんな時間にどしたの・・・・?」


達哉『あのさ・・・・・』














少しの沈黙。



















"あのさ・・・・・"



なにを言おうとしてるの・・・・・・?









達哉『やっぱ、なんでもねえ』



麻衣「はいっ?」



・・・・・・・・・・・・なんだそれ・・・。



少しだけ、期待をしてしまう自分。
ついブレーキをかける










・・・・・・・あ。




寝ぼけてて、てっきり言い忘れるとこだった・・・。




麻衣「あの、・・・今日ごめんね」



達哉『え?』




麻衣「ほら、尚が・・・・・・」





「麻衣は俺がもらうから!」







達哉『あ、あぁー・・・。あれね・・・』
麻衣「ごめん・・・なんでもないし、気にしないで
   あいつの言ったこと。」


達哉から返事がない。


達哉『あの"なお"って奴、前お前に告ったやつだよね』
麻衣「あ、うん・・・そだけど」
達哉『俺・・・・・・』



麻衣「俺?」







俺・・・・・・?


・・・・なに?






麻衣「達哉?」










麻衣「おーい」




あ、れ?






麻衣「新山くーん」











麻衣「あのォー?達哉・・・?」






聞こえてないのかな?






麻衣「ねぇーって!おい!」














何度読んでも返事がない。



え・・・?と思ってよく耳を澄ましてみると




スースーと達哉の寝息が聞こえた。








――――――寝やがったな・・・。




何を言おうとしてたんだろ・・・。







まぁーいいや・・・あたしももう寝よ・・・。うん。






あのあと達哉からの電話のせいで ドキドキして眠れなかった ・・・のはずが爆睡。 目覚めのよい朝ですこと。 そして時間は9時。 麻衣「わーーーーーー!!」 遅刻だよーー!! あーぁ・・・。 もう・・・めんどくさいなぁ・・・。 学校についても、 授業に出る気にはなれなかったから つい足がいつもの場所へと向いてしまう。 ―――屋上。 ガチャ 麻衣「あー・・・・・・眠い・・・・」   「麻衣・・・・・・?」 誰かに名前を呼ばれた。 読んだ犯人は 昨日電話をかけてきたあの人 麻衣「達哉っ?」 達哉「おーっす」 麻衣「達哉もサボり?」 達哉「あー、てか寝坊して授業出んのめんどくなったからな」 麻衣「・・・同じく。」 達哉「はは。わりーな昨日わ」 麻衣「いやぁ・・・・別にぃ」 達哉「隣、くれば?」 達哉は寝そべりながら "ここ"と指をさした。 麻衣「・・・・うん」 ちょこんと隣に座る なんか、すごく緊張するよ・・・・・。 ピリリリリ するとケータイが鳴った。 メールだ・・・ 誰だろうと思いながらケータイを開く。 ・・・尚。 "今日会えねぇ?" ・・・どうしよ・・・。 画面を見ながら悩む。 達哉「へー」 麻衣「わっ!!」 達哉が画面をのぞきこんでた 麻衣「か、勝手に見ないでよぉっ」 達哉「会うの?」 麻衣「え・・・・・いや・・・・・・・・考え中」 達哉「ふーん・・・・、あっそ」 そんな冷たく・・・・。 なに・・・?調子狂うよ 妬いてんの?とか思っちゃうよ 期待しやすいんだから・・・。 昨日から あたしは達哉に何かを期待してる。 ・・・ばかみたいっ 達哉「会えばいいじゃん」 思いがけない達哉の言葉・・・・・・・・。 麻衣「・・・え?」 達哉「なおってやつ、超お前のこと好きみたいだし?」 ・・・・なんだ、それ・・・・・・ 達哉「お前のこと、幸せにしてくれるっしょ」 幸せに・・・・・・・・・――-- あたしが幸せにしてほしいのは、達哉だけだよ? 達哉だけが、あたしを幸せにできるんだよ 麻衣「やっぱり・・・いくら想ってもだめなんだ・・・?」 あたしはまた、泣き虫になったみたい。 達哉「・・・・・・・・・・麻衣・・・?」 麻衣「あたしじゃ・・・・・だめ、なんだよね・・・・・。ごめ・・・」 だから期待なんて、しちゃだめなんだ・・・。 少しだけ・・・期待しちゃってた。 とんだうぬぼれだよね、ばかみたい 麻衣「じゃっ・・・教室いくっ。ばいばいっ」 ―――ガチャ あたしを幸せにできるのは達哉だけど 達哉を幸せにできるのは あたしじゃないんだよね だめだあたし。 もうだめなんだ・・・・。 諦めないって・・・、 絶対諦めないって・・・決めたはずなのに・・・。 なんで、こんなに弱いんだろう

/第23話---放課後


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