第24話---ずっとずっと欲しかったもの




誰もいない教室

達哉と放課後二人きりになるのは、3回目かな



麻衣「・・・・・・・・・」
達哉「・・・・・・・・・」




・・・・・無言。


達哉が連れてきたんだから・・・なんか言ってよ





ほんと達哉って何考えてるかわかんないよ・・・・・・



もうやだ。帰りたい・・・






達哉「・・・ごめん」







麻衣「・・・え?」








"ごめん"?







達哉「勝手に連れてきて。」



・・・あぁ、そーゆう"ごめん"か
何かと思ったよ・・・



麻衣「いいよ・・・で、なんか用?」



達哉「用ってゆうか・・・・」




何?何か言いたいことがあって連れてきたんじゃないの?
なんなの・・・・・・?はっきりしてよ・・・・・・・・・





達哉「・・・・・・・・・・」


達哉は考えるように下を向いた。





「ぜってぇー離さねぇ」


その言葉に期待してしまった自分が
なんか馬鹿みたいに思えた


何も言ってくれない達哉・・・・。


なんであたしは、ここにいるんだろう




麻衣「もうやめてよ・・・」



つい出てしまった言葉。



達哉「・・・・麻衣?」




麻衣「こんなことされたらあたし、また期待しちゃうじゃんか」




達哉「・・・・・・・・・・・」





麻衣「好きじゃないくせに思わせぶりな態度とらないでっ・・・」










麻衣「あたしは達哉のこと好きなんだからっ・・・――――」



・・・・・・だめ・・・、涙出ちゃう

もう帰ろ・・・














達哉「待て!」







ぎゅっ















後ろからあたしを抱きしめる達哉。


まるでこの前みたいに・・・・




麻衣「だから・・・・そーゆう思わせぶりな・・・・・」







達哉「好きだ」





あたしの言葉を遮るように
達哉の口から出た言葉。





・・・・・・・・・・・・・。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・は・・・・・・・?







麻衣「・・・・・・え・・・・・」




今なんて?





麻衣「何言って・・・・・・・」
達哉「俺お前が好き」



え・・・
















麻衣「・・・・・うそだ」





達哉「・・・・・・人が一生懸命告ってんのに・・・。」
麻衣「だって嘘だもん絶対・・・・」




「俺お前が好き」



そんな嬉しい言葉

ずっとずっと欲しかった言葉



なんで今更


・・・・・・・・・また嘘なんでしょ?冗談なんでしょ?



達哉「なんで信じねぇの・・・?」
麻衣「信じれないよ・・・・・・。また、離すんでしょ・・・?」



そう言うと、達哉は抱きしめる力を強くした



胸の鼓動が早くなる・・・・・






達哉「もう離さねぇ絶対に。」
麻衣「・・・・・・・・・・・」




ねぇ
あたし夢見てるのかな

幸せな夢を。


ずっと夢見てたこと。
ずっと待ってたこと。


達哉が、あたしを?



達哉「花火大会のときしたキスも、この前抱きしめたことも
   全部ふざけてやったことじゃねぇよ」


・・・・・・・・・・達哉・・・・・・・・
















そんな嬉しい言葉もらっちゃったらあたし・・・・・・・・。





ねぇ  期待しても  いいの?





達哉「麻衣・・・・・・・好きだよ・・・・・・・」






―――――好きだよ―――――







達哉「麻衣・・・・・・・?」



ずっとずっとこの日を夢見てきました。



あなたを好きになった日から、ずっとずっと。



こんなにもこんなにも好きになるなんて
夢にも思ってなくて


すぐこの恋に飽きて、また新しく好きな人ができて

本当の恋なんて知らないような、

そんな人生を送るんだと思ってました。




でも気付けばいつもあなたの事ばかり。


あなた意外の人なんて考えられなくて


あなたの姿を見るたびに好きになっていく自分がいて。




それは、あなたと出逢えたことが
運命だと信じたくなるくらい・・・―――




達哉「麻衣、こっち向いて・・・?」





達哉はいったんあたしを離して
肩を持ってこっちに向きを変えた。




麻衣「や、だ・・・・」
達哉「・・・・・・・・・・」

達哉の顔見れない・・・・・・・






達哉「ばか、何泣いてんだよっ」



麻衣「・・・・・・・・・や、見ないでっ。ブスだからっ・・・」
達哉「アホ・・・・・・。かわいーよ」
麻衣「やぁだっ」
達哉「麻衣、こっち向いてよ」


そうやって優しい声で言わないでよ


達哉の顔見たくなっちゃう






麻衣「・・・・・・・・・・ぅ・・・・」



やっぱ、涙が・・・・・・・・・・・・






ちゅ


麻衣「・・・・・」


達哉は優しくおでこにキスする。


ドキドキがおさまりません・・・・・・・・・



さっきまですごいイライラしてたのに・・・。













達哉「つーか座ろ」


達哉は近くにあるイスを2つ、
向かい合わせにして出した

そしてあたしを座らせる






・・・・・・・それからぎゅっと手を握ってくれた






達哉「何回も言うけど、・・・・・・俺麻衣が好きだよ」
麻衣「・・・・・・・・・・・・・・・っ・・・・」


だから・・・・・・・そんな嬉しいこと何回も言わないで
泣きたくなる・・・・・・・・・・。幸せすぎて・・・・・


あたし、矛盾してるのかな・・・・


達哉「麻衣は、俺のこともう好きじゃなくなった?」
麻衣「好きだよっ!」
達哉「・・・・・・はは。・・・・・すっげ嬉しい・・・・・・」




達哉「ほんとは俺から言いたかった。好きってこと」
麻衣「・・・へ・・・?」


達哉「本気で好きな子には絶対自分からゆうって決めてた」


そういえば・・・そんな話もしたっけ・・・・・





達哉「言っとくけど、俺入学したときから
   ずっとお前のこと好きだったから」



え・・・・


入学したときから?

嘘だよ・・・・・・・・



麻衣「嘘、だよぉ・・・そんなの」
達哉「"そんなの"って!ほんとだから!」
麻衣「だってそしたらなんで『なかったことにして』とか
   言ったりしたのさ・・・・・・・」
達哉「あぁ・・・まぁいろいろ・・・あってね」
麻衣「・・・?何それ??」
達哉「・・・いずれ話すよ」
麻衣「うん・・・?」

達哉「つかまじごめん。なかったことにしてとか、
   いろいろ言って。俺まじアホだよね」
麻衣「いいよぉ、もう」



そんなのもうどうだっていいよ

達哉とこうして
今一緒にいられるんだから・・・・・・・・・・・・






























その日は二人で手繋いで帰った。



案の定尚からメールがきてたけど
そんなのもうどうでもよくて、

考えるのは、達哉のことばっかり。



片想いだと思ってたずっとずっと。



でも二人は通じ合ってたんだね。



奇跡が起きたのかな?



達哉は何回もあたしに"好き"って言ってくれた




ずっとずっと
あたしが欲しかったものを、


達哉しか持ってないものを


あたしは今日のこの日
もらうことができました。






/第25話---両想い


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