第26話---あたしだけの






麻衣「千穂ーごめんってばー」

千穂「ふーんだ」
麻衣「ほんとゴメン」
千穂「何よー、新山と付き合うことになったんなら
　　　すぐ言ってくれたっていーのにさ！」
麻衣「ほんっとごめん！嬉しすぎて精一杯だったんだ･･･」


千穂「･････」






千穂「うそだよバーカ！いーいよ！」
麻衣「ほんと？！」
千穂「うん。てかおめでとぉー！！あたしも嬉しーよ！」
麻衣「ちほぉお〜〜〜〜」
千穂「泣き虫ィー」
麻衣「うっさい！」










あー･･･
なんか幸せ

ずっとずっと夢見てきたことが

今現実として目の前にあるんだもん･･･








千穂「あ、そーいえばさ」



麻衣「んー？」



千穂「尚君、どーなったわけ？」












･･･････あ。








そーいえば････。


尚からメールとか来てたんだっけ
忘れてたぁー･･････！！


あたしって最低な女だな････。














今日も達哉と帰れるー！

ちょっと、尚のこと気がかりだけど･･････



達哉「げっ」

麻衣「？」






達哉「あいつ･･････」
麻衣「へ？」


あいつ？



校門の方を見ると、誰かいる･･･




あの姿はやっぱり、



麻衣「尚･･･」



案の定･･･待ってたかぁ･･･


達哉「行くぞ」
麻衣「え、ちょっ･･･」


えー！
えー････なんか気まずいよー








尚　「麻衣っ！」



麻衣「尚･･･、やほ･･･」
尚　「････なんでお前が一緒にいんだよ」

達哉「一緒にいんのが当り前だから」






尚　「は･･？何･････付き合ってんの･･･？」





達哉「悪い？」
麻衣「･･･」

尚　「麻衣、まじなのっ？」
麻衣「う････うん」



尚　「認めねぇ」
達哉「は？」
尚　「俺絶対認めないから！」
麻衣「尚っ」


･････どうしよ



尚　「麻衣っ」



達哉「触んな！こいつは俺のだから！」





　　　　　　　　"俺の"







麻衣「･･･････････」






尚　「･････っ･･･」



達哉「もう近寄んなよな」
　

麻衣「････････････」

達哉「麻衣行こ」


















尚　「･････くそ･･･っ」





俺の･･････････だって････




俺のなんだって！


達哉のなんだって！



ねぇ達哉、
すごくすごく嬉しいよ













達哉「･･･麻衣」

麻衣「え？」
達哉「もうあいつとは絶対会ったりしないでね」



･･････妬いてんの･･･？




かわいいっ･･･


麻衣「会わないよっ！会うわけないって」

達哉「絶対な！俺だけの麻衣だかんな」



･･･そんな、照れるようなこと
平気な顔して言わないでよ！


あたしは
恥ずかしくて口にはできないけど


達哉だって、
あたしだけの達哉だもん
























それから尚からはメールが来て


あたしは

「達哉のことしか考えられないから尚とメールとか出来ない」

って送った。


尚は、


「･･･わかった。でもたまにメールするぐらいならいい？」


って。


「うん」

って送って、メールは終わらせた。




本当に本当に、
あたしの頭の中には一人の人のことしかないの。


達哉と出逢って
達哉と付き合って

あたしの世界は一変したんだよ？


達哉以外の人なんて考えられない。

最低だ、って言われたっていい･･･。
達哉がいてくれれば。





もし達哉がいなくなっちゃったら、どうなるんだろう。


そう考えるとすごく怖くて。


そばにいれる時間を大事にしたいって思えるんだ





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